歌謡曲並みに売れたクラシックレコード、期待のハイレゾ販売化なる。
帝王カラヤンが、ヴァイオリンの雄オイストラフ、情あるチェロのロストロポーヴィッチ、鋼鍵リヒテルとがっぷり組んだベートーヴェンのトリプル・コンチェルト。東西ヨーロッパ音楽界の主役同士が相まみれたことで話題ともなったレコード。時は1970年、大阪では『20世紀少年サーガ』の舞台、大阪万国博覧会。ビートルズの解散。東西冷戦という最中でクラシックレコードしては歌謡曲並みに売れたレコードだということです。

特にロストロポーヴィッチとリヒテルから、絶妙な演奏・・・と、BBCマガジンの評

看板スター勢ぞろい
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並木坂のレコード店でも、思い出に残る一枚なのでしょう。名演奏であるかどうかは、ベートーヴェンの協奏曲としてはピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲ほどには聞かれていない曲でしょう。フレーズが頭に浮かぶものでも、聞き終えて鼻歌に出るものでもない。カラヤン、オイストラフがヴァイオリン協奏曲を録音すれば・・・と大いに期待していたのでしょうが、カラヤンにしてもオイストラフにしてもすでにベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は名盤を発売済み。それでこうしたゴージャスなメンバーには、曲の有名度よりもそれぞれのアーティスティックが発揮できるのが一番。クラシックの数ある曲の中ではジャズを楽しむような風情があります。
特にロストロポーヴィッチとリヒテルから、絶妙な演奏・・・
一枚、一曲で、ヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲、チェロ協奏曲の醍醐味を楽しむこともできて、理想的演奏、斬新的な解釈、鮮烈な録音は他にあるでしょう。演奏は比較するものがありませんが、録音だけからでもリヒテル、ロストロポーヴィッチの魅力満点。擦りつけるチェロのゴリゴリ感、ズーンと弾力のあるピアノの明瞭な響き。楽器それぞれの音色を味わい、学ぶのにも最適。この曲の代表としてカタログから外れることのない名演でもあり、演奏の手本でしょう。
期待のハイレゾ化
カラヤンのアプローチはベートーヴェンらしい、らしくないと口出しできそうにありませんが、それを問わないでよさそうなほどカラヤン一流の音楽づくりの上で三人の独奏者が思うように演奏している。独裁的指揮者ではない帝王の恰幅を見せています。恰幅があるといっても、戦闘的でもなく、だからといって包容だけではないカラヤンのスタイリッシュな音楽。大演奏家揃い踏みなので当時とてもたくさんプレスされたとも思いますが、良い状態のアナログ盤も多く手に入れやすいですが、今回ハイレゾ音源で聴いています。オリジナル盤でも聞き慣れたレコードであるだけに、待望のハイレゾ化。
価格は18ドルほど。SHM-CDを買うのとどっこいどっこい。900メガバイトと、CDに換算して一枚半ほどのデータですので、ダウンロードの環境には左右されるでしょう。
https://www.hdtracks.com/index.php?file=catalogdetail&valbum_code=HD5099970461756

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